どういうわけか?
アツマールで公開している「ハインダッシュ」に以下のようなコメントが付いてることに気づきました
悪意でゲーム作ってることになってる!?!??!
大前提として悪意でゲーム作るほど暇じゃないしゲーム作るの大変なんだけど……と思いつつ、そもそも僕がそのゲームをどういう意図で作っているのかってあまりインターネットには書いたことないなぁと思い、今回試しに「ハインダッシュ」について書いてみることにしました。
「ハインダッシュ」を作るキッカケ
春のニコ生ゲーム大運動会 というイベントがあったからです。
このイベント用のゲームのため、 AkashicEngine を使って作ることになります。
- 運動会がテーマだから徒競走とかそういうのかな……
- 大昔に「ジャンプして障害物を避けるゲーム」作ったことあるし、その精神的続編として障害物走をテーマにしよう!
- キャラクターが欲しいけど新キャラ考えるの大変だし、「憎悪の獣の地下ドール」からハインを連れてこよう!描き慣れてるし!
のような流れでゲームの下地を考えます。
最初の時点ではゲーム名は「ランハイン」だったため、プロジェクト名も runhain になっています。
タイトルロゴを作る時にタイトルをちゃんと決めるタイプなんです。
ニコ生ゲームのランキングゲームとして作るときに考慮すること
僕はニコ生ゲームのランキング対応ゲームとして作る場合、以下のようなことを念頭にゲームを考えています。
- 操作は基本的にマウス / タッチのみ
- 共通の制限時間内のスコアを競う
- スコアが高い上位5人がランキングで表示される
操作は基本的にマウス / タッチのみ
これはニコ生ゲーム全般ですが、公式にサポートされている操作はマウス(クリック)かタッチ操作のみです。
悪いことすると右クリックとかキーボード入力とか取れたりするのですが、当然公式サポートではないためうまく取れなかったり、生放送のプレーヤー側のショートカットが誤爆したりコメント入力しちゃったり危ないことが起きる場合があります。
そのため、あまりこのあたりの操作が必須になるようなゲームは避けたほうが安全かなと思っています。 基本はクリック!シンプルに行け!
なお、「パズトリ」では限定的に「右クリック」と「Zキー」に対応させていたりします。この2つは他のニコ生の機能とぶつかりにくいだろうな……という予想のもとやっていますが、もしかしたら将来公式にNGになったらごめん><
【2024年3月1日追記】
現在は公式に右クリック機能が入っているため、右クリックについては今後も使えそうです。キーボードはヤバそう。
共通の制限時間内のスコアを競う
ニコ生ゲームのランキング対応ゲームは指定時間内のスコアを競うモードです。
なので、「途中で穴に落ちたらゲームオーバー!」のようなゲームにしてしまうと、残り時間の間ずっと暇になってしまうので微妙です。制限時間中はなるべくずっと遊べるようなゲームにしたほうが良いと思います。
なお、ランキング対応ゲームでは他のプレイヤーが何をやっているかは取得できません。そのため「ゲームオーバーになったら他のプレイヤーを観戦」とか「全員がゲームオーバーになったら終わり!」とかというゲームも作れません。そういうのやる場合はマルチプレイゲームで!
スコアが高い上位5人がランキングで表示される
ゲーム終了後のランキング画面には上位5人が表示されます。
ふーん、という感じですが、逆に言うと「ちゃんと順位がつく」ゲームでないと微妙です。同一スコア(同着)がたくさんいると、ランキングの順位がよくわからない感じになってしまいます。1位が6人以上いて溢れたりとか……
ターン制&コマンド入力のように「完全に同じ操作」ができるゲームだと同着が生まれやすくなるので、スコアルールには気をつけたほうが良さそうです。
「ハインダッシュ」の場合
さっきのニコ生ゲームのときに考えることを「ハインダッシュ」にも適用します。
マウス&タッチの操作
「ハインダッシュ」の操作はジャンプだけです。
もっとも「ハインダッシュ」には僕が大昔に作った前身となるゲームがあり、そのゲームの操作も同じような操作だったため、ニコ生ゲームだから云々はあんまり関係ないかもしれません><
押してる時間でジャンプ力が変わるのがこだわりポイントです。
これによってただのタイミングゲーではなく、アクションゲーム感が強くなっていると思います。むずいが。
なるべくバラけるスコアロジック
ハインダッシュのスコアは「走行距離」です。
走行距離は当然プレイヤーの移動速度が早いほどぐんぐん増えていく値です。そしてこの移動速度は「地上を走ってる間に増える」という仕組みにしています。
これによって「本当にまったく同じ操作」というものが難しくなっています。1フレームもズレずに同じ操作をしないと、同じ移動速度にはなりません。
こうすることでなるべくみんなのスコアがバラけるようになっています。もちろん移動速度違ってても最終スコアが偶然一致することはありえますが、同じタイミングで何人も出ることはあんまりなさそう(たぶん)
ちなみに、ミスのときの復活待ちが固定時間ではなく連打で復活なのも、同じような理由です。
余談:すごそうなスコアのラインを作る
これはニコ生ゲーム固有の話ではないですが、スコアがあるゲームを作る場合は「すごそうなスコア」というラインを考えたりします。
例えば「理想的なプレイをすると10万点を超える」みたいな感じです。
10万点とか100万点のような人間から見てちょっと良い値に見えるスコアを、ゲームの中で理想的なことができたときに獲得できるスコアと紐づけておくと、そのスコアを見たときのすごそう感が出そうだなぁ~~と思っており少し意識しています。
「ハインダッシュ」だと1000m、「ウヌムマキナ」だと10万点と100万点の2箇所にそういう境界線を意識しています。
ところでノーミス至上主義
突然ですが「探して!4羽」は「ノーミス至上主義」なゲームです。
※ノーミス至上主義、僕が勝手に呼んでいる言葉なのでググってもダメです
「探して!4羽」はミスによるペナルティがとても大きいため、ゲーム中にミスをしてしまうとスコアとしては非常に大きい影響を受けます。
そのため、「探して!4羽」ではミスをしてしまったらほぼ負け確定です。厳しいですね。
もちろん僕は「ノーミス至上主義」が必ずしも問題であるとは思っていません。「どういうジャンルに適用するか」によると思っています。
例えば、1人プレイのゲームや格ゲーのような対戦ゲームではまったく問題ないでしょう。繰り返しプレイして自分の実力を高めていく、他人と実力を比較していくゲームでは、むしろノーミス至上主義に寄っていることは重要な要素かもしれません。
一方でパーティーゲームになると話は別です。
パーティーゲームの場合は単に実力の比較というよりは、その体験をまるっと楽しむという方面が強いと考えており、プレイミスもある種エンターテイメントの一部だと思います。
Fall Guys の序盤は穴に落ちてもOKなパーティーゲーム感強く、後半に落ちたら一発アウトのノーミス至上主義なステージで実力勝負させるのとかめっちゃよくできてますよね。
そして、「ハインダッシュ」はどちらかというとパーティーゲームだと思っています。アクションを死ぬほど突き詰めてほしいわけではなく、生放送上でサクッと遊ぶゲームです。
故に「ハインダッシュ」はノーミス至上主義ではなく、「ミスっても全然OK!むしろみんなミスるよ!」という方向でゲームバランスを取っています。跳び箱にぶつかったからといって負け確ではないのです。
そんなわけで「ハインダッシュ」がノーミスでクリアできないのは、僕に悪意があるわけではなく「ハインダッシュはパーティーゲームとして遊んでもらうゲームだから」が答えになります。
余談:「探して!4羽」は何故ノーミス至上主義なの?
「探して!4羽」はアクションゲームではなく、時間をかけて探せば誰であっても絶対に見つけることができるパズルです。
そのため、「ミスをしないこと」だけを考えてプレイすれば、絶対に誰もミスはしません。そこにあえて「早くやるとスコアが伸びるよ」という要素を足すことで、急いで選ぶかか慎重にやるかというゲーム的な2択要素が生まれるようしています。
- 「探して!4羽」
- 誰でもやろうと思えばノーミスできるゲームルール
- 操作部分ではなく、「安定を取るか、スピードを取るか」という部分がゲームの中心
- 「ハインダッシュ」
- アクションゲーム
- 操作や瞬間の判断がゲームの中心
- この操作や判断ができることを必須要件にしてしまうと間口が狭くパーティーゲームにならない
同じパーティーゲームでも何がゲームの中心であるかによって、僕の選ぶゲームルールが違うわけです!
その他
見た目的なこだわりポイント
「ハインダッシュ」には、妨害オブジェ2種とパワーアップアイテム1種があります。
このオブジェやアイテムを何にするかは微妙に悩んだりしました。 運動会モチーフのゲームだったので最初はハードルにしようかなと思ったのですが、このゲームは真横視点なのでハードルはただの棒じゃねーか!とか……
跳び箱はまぁ良いとして、空に浮いてるオブジェはあまり運動会に紐づく良いものが思いつかず、ドクロ書いてある風船ならさすがに敵ってわかるしいいか!という諦めの境地が出ています>< そもそもリアル障害物走で浮いてるオブジェはないんだわ……浮いてるのはパン食い競走だけなんだわ……
なお、一応妨害オブジェは縁の色を赤で統一していたりします。
お団子は以前描いてもらったオーナーのファンアートに由来しています。ありがとうございます。
そんなわけで
今まであまりゲーム作ったときに何考えてそういう風にしたのかとかは書いてなかったのですが、今回書いてみて割とアリかもしれないなぁと思いました。 というのも、このあたりは作ったときにしか明確に覚えてないし、ブログに書いておくと後々未来の僕が見返したときにも純粋に面白そう。
……というか、本来ブログってそういうものなのでは!?!?!?!